02.掃除の道具

ほうきの種類と使い分けは?座敷ほうき・棕櫚(しゅろ)ほうき・竹ぼうきの違い

ほうきの種類と使い分けは?座敷ほうき・棕櫚ほうき・竹ぼうきの違い

掃除機が主流の現代でも、静かに掃除ができて電気も使わないほうきは、暮らしの中で根強い人気があります。

ただ、ほうきにもいくつか種類があって、どれを選べばいいのか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。

この記事では、座敷ほうき、棕櫚(しゅろ)ほうき、竹ぼうきという代表的な三種類のほうきについて、それぞれの違いや使い分け方、どんな場所に向いているのかを詳しくご紹介していきます。

ほうきの特性を知ることで、掃除の時間がもっと快適になり、それぞれの道具を長く大切に使えるようになるはずです。

ほうきは使う場所に合わせて選ぶもの

ほうきには、屋内向き屋外向きという大きな分け方があります。

座敷ほうきと棕櫚ほうきは主に屋内で使われ、竹ぼうきは屋外での掃除に適しています。

素材や穂先の形、コシの強さがそれぞれ異なるため、使う場所に合わせて選ぶことで掃除がしやすくなります。

たとえば、畳やフローリングを掃くときには柔らかく繊細なものが向いていますし、庭やコンクリートの上には丈夫でコシの強いものが必要になります。

なぜほうきによって使い分けが必要なのか

素材によって掃き心地と向いている床が違う

ほうきの穂先に使われる素材には、ホウキモロコシ、棕櫚(しゅろ)、竹といった自然素材があります。

それぞれの素材には特有の性質があり、床との相性掃き心地に大きな違いが出ます。

ホウキモロコシは穂先が長くてしっかりしており、畳の目や板の間の溝に入り込んだゴミもしっかり掃き出せます。

棕櫚の繊維は細くてしなやかなので、フローリングをなでるように掃くことができ、床面に優しく作用します。

竹はコシが非常に強いため、屋外の固い床や落ち葉を掃くのに向いています。

静電気やゴミのまとわりつきも素材で変わる

ほうきの素材によって、静電気の発生しやすさも異なります。

自然素材のほうきは、化学繊維のものに比べて静電気が起きにくく、ゴミが穂先にまとわりついたり床に張りついたりすることが少なくなります。

特にペットの毛や髪の毛などは静電気でまとわりつくことが多いため、自然素材のほうきは屋内の掃除に適しているといえます。

掃除の仕上がりや床へのツヤ出し効果

棕櫚ほうきは、使い続けることでフローリングにツヤが出ると言われています。

これは棕櫚の繊維に含まれる天然の油分が、掃くたびに床に移っていくためです。

一方で、座敷ほうきは掃き出す力が強いため、畳の目に入り込んだ細かなゴミまで取り除きやすく、仕上がりがすっきりします。

このように、ほうきの種類によって掃除の仕上がりや床に与える影響も変わってきます。

耐久性や手入れのしやすさも異なる

ほうきの素材によって、使える年数も違ってきます。

棕櫚ほうきは品質によって差がありますが、上質なものであれば10年以上使えることもあります。

座敷ほうきも丁寧に使えば長く使い続けられる道具です。

竹ぼうきは屋外で使うことが多いため、雨風にさらされやすく、素材の劣化が早い場合もありますが、それでも数年は使えます。

どのほうきも、使った後に穂先を整えたり、湿気を避けて保管したりすることで、長持ちさせることができます。

座敷ほうき・棕櫚ほうき・竹ぼうきの特徴と使い方

座敷ほうき(江戸ほうき)

座敷ほうきは、ホウキモロコシというイネ科の植物を原料にして作られています。

江戸時代から関東を中心に広く使われてきたことから、「江戸ほうき」や「東ほうき」とも呼ばれています。

穂先が長くてコシがあり、畳や板の間、フローリングまで幅広く使えるのが特徴です。

しっかりと床を掃き出す感覚があり、初めてほうきを使う方にも扱いやすい道具です。

向いている場所と使い方

座敷ほうきは、畳の部屋に特に向いています。

畳の目に沿って掃くことで、目の奥に入り込んだ細かいゴミもかき出すことができます。

フローリングでも使えますし、板の間の溝にたまったホコリにも対応できます。

掃くときは、床に穂先をしっかり当てて、前に押し出すように動かします。

力を入れすぎず、ほうきの重みを利用するようにすると、スムーズに掃除ができます。

メリットと特性

  • 穂先から粉が出にくく、清潔に使える
  • 静電気が起きにくいため、ゴミがまとわりつかない
  • ペットの毛や髪の毛の掃除に適している
  • オールラウンドに使えて、初心者にも扱いやすい

座敷ほうきは、屋内掃除の万能選手として、一本持っておくと重宝します。

棕櫚ほうき(しゅろほうき)

棕櫚ほうきは、ヤシ科の棕櫚の木の皮から採れる繊維を束ねて作られています。

繊維が非常に細くて柔らかく、穂先の密度が高いため、優しく掃くことができます。

モップのように床をなでるように使うのが基本で、フローリングに向いています。

関西を中心に古くから愛用されてきた道具で、使い込むほどに床にツヤが出るという特徴があります。

向いている場所と使い方

棕櫚ほうきは、フローリングで真価を発揮します。

柔らかい繊維が床をなでるようにゴミを集めるため、床を傷つけにくく、静かに掃除ができます。

掃くときは、力を入れず、ほうきを滑らせるようにして動かします。

ゴミを押し出すというよりも、集めていく感覚で使うと、棕櫚ほうきの良さが活きてきます。

メリットと特性

  • 使うたびにフローリングにツヤが出る
  • 優しい掃き心地で、床を傷つけにくい
  • 静かに掃除ができる
  • 上質なものは10年以上使える耐久性がある

棕櫚ほうきは、フローリング中心の住まいで、丁寧に掃除をしたい方に向いています。

竹ぼうき

竹ぼうきは、竹の枝を束ねて作られた、コシの非常に強いほうきです。

屋外での使用を前提としており、庭や駐車場、玄関まわりなど、固い床面や落ち葉の掃除に適しています。

屋内用のほうきに比べて穂先が太く硬いため、室内で使うと床を傷つけることがあります。

向いている場所と使い方

竹ぼうきは、庭や駐車場、コンクリート面での掃除に向いています。

落ち葉や砂、小石など、大きめのゴミを一気に掃き集めることができます。

砂利の上でも使いやすく、屋外の広い範囲を掃除するときに便利です。

掃くときは力を入れて、大きく動かすようにすると効率よく掃除できます。

メリットと特性

  • コシが強く、大きなゴミも掃きやすい
  • 屋外での使用に耐える丈夫さがある
  • 広い面積を短時間で掃除できる

竹ぼうきは、屋外用の掃除道具として一本あると、落ち葉の季節や雨の後の掃除に活躍します。

その他のほうきの種類

土間ほうき

土間ほうきは、玄関や家の外回りを掃くためのほうきで、黒シダや赤シダといった素材で作られています。

コシがあり、土や砂を掃き出すのに適しています。

竹ぼうきよりも細かいゴミに対応しやすく、玄関の掃除に向いています。

手ほうき

手ほうきは、小型のほうきで、片手で使えるサイズになっています。

机の上や棚の上、ちょっとした掃除に便利で、ちりとりとセットで使うことが多い道具です。

台所のテーブルやカウンター周りの掃除にも使いやすく、一つあると重宝します。

天井ほうき

天井ほうきは、柄が長く、穂先が小さく作られています。

高い場所や天井の掃除に使うもので、普段の掃除では使わないかもしれませんが、大掃除のときにあると便利です。

ほうきを選ぶときのポイント

屋内用なら座敷ほうきか棕櫚ほうき

屋内で使うほうきを選ぶときは、まず床の種類を考えます。

畳の部屋が多いなら座敷ほうきが使いやすく、フローリングが中心なら棕櫚ほうきが向いています。

どちらも使える場所があるなら、最初は座敷ほうきから試してみるのも良いでしょう。

座敷ほうきは汎用性が高く、初めてほうきを使う方にも扱いやすい道具です。

屋外用なら竹ぼうきや土間ほうき

庭や駐車場の掃除には、竹ぼうきが適しています。

玄関やベランダなど、屋内に近い場所であれば、土間ほうきや赤シダほうきを選ぶと、細かいゴミにも対応しやすくなります。

屋外用のほうきは、雨風にさらされることも多いため、使った後はよく乾かして保管することが大切です。

サイズや重さも確認する

ほうきは、柄の長さや穂先の幅によって使いやすさが変わります。

身長に合った長さのものを選ぶと、腰を曲げずに掃除ができて楽になります。

また、穂先が大きいほうが一度に広い範囲を掃けますが、重くなることもあるため、実際に持ってみて確かめるのが理想的です。

ほうきを使うときの注意点と手入れ方法

使い始めと使用後の扱い方

新しいほうきは、穂先がまだ固まっていないことがあります。

使い始めは軽く床をなでるようにして、徐々に穂先をなじませていくと、長く使えるようになります。

使った後は、穂先についたゴミを取り除き、形を整えておくことで、次に使うときもきれいに掃けます。

湿気を避けて保管する

ほうきは自然素材でできているため、湿気に弱いものが多いです。

使った後は風通しの良い場所に立てかけて乾かし、湿気の多い場所には置かないようにします。

穂先を下にして保管すると形が崩れてしまうため、吊るして保管するか、穂先を上にして立てかけるようにします。

穂先が広がってきたら整える

長く使っていると、穂先が広がってくることがあります。

そのようなときは、穂先を軽く濡らして形を整え、紐やゴムで束ねて乾かすと、元の形に戻りやすくなります。

定期的に手入れをすることで、ほうきを長く使い続けることができます。

歴史から見るほうきの使われ方

関東と関西で好まれるほうきが違っていた

昔から、関東では座敷ほうき、関西では棕櫚ほうきがよく使われてきたといわれています。

これは、住まいの構造や床の素材、掃除の習慣の違いが影響しているとされています。

座敷ほうきは畳との相性が良く、関東の住まいに多かった畳の部屋で広く使われました。

一方、棕櫚ほうきは板の間やフローリングに向いており、関西の住まいでよく使われてきました。

現代の暮らしでのほうきの役割

掃除機が普及した現代でも、ほうきを使う暮らしが見直されています。

音を立てずに掃除ができることや、電気を使わないこと、細かい場所にも対応できることなどが、改めて評価されています。

また、自然素材のほうきは使い心地が良く、暮らしに温かみを添えてくれる道具でもあります。

まとめ

ほうきには、座敷ほうき、棕櫚ほうき、竹ぼうきといった種類があり、それぞれ使う場所や掃き心地が異なります。

座敷ほうきは畳や板の間に向いており、しっかりと掃き出せる万能タイプです。

棕櫚ほうきはフローリングに最適で、使うほどに床にツヤが出る特徴があります。

竹ぼうきは屋外での掃除に適しており、庭や駐車場で活躍します。

ほうきを選ぶときは、使う場所の床材や掃除の範囲を考えて、自分の暮らしに合ったものを選ぶことが大切です。

どのほうきも、使った後に穂先を整えて、湿気を避けて保管することで長く使うことができます。

掃除機だけに頼らず、ほうきを暮らしに取り入れることで、静かで丁寧な掃除の時間が生まれます。

自然素材の道具を手にして、日々の掃除をもっと心地よいものにしてみてはいかがでしょうか。